エンズィンガーでは航空機内装品(シート、照明、ギャレー、操縦室など)に使用可能な燃焼試験をクリアした切削加工用素材をご用意しています。豊富なサイズの丸棒、板、パイプ、チューブ形状のほか、個別でカスタムサイズにも対応しています。
垂直燃焼試験(60秒もしくは12秒接炎)を実施しており、追加で発煙性、毒性、ヒートリリース試験も必要に応じて実施しています。広範囲にわたるテスト結果をお客様といつでも共有することができます。お客様の航空機内装品の設計改善や新規開発をサポートします。
航空機のキャビン環境で使用される航空機内装品は、特定の難燃性を満たす必要があります。垂直燃焼性試験は必ず実施されますが、更なる詳細のFST試験(Flammability / Smoke / Toxicity:難燃/発煙/毒性)が必要になる場合もあります。
- 垂直燃焼試験 60秒もしくは12秒接炎
- 煙密度 / 発煙性
- ガス毒性
- ヒートリリース
- 水平燃焼試験 15秒接炎
エンズィンガーでは実際の使用で最も薄いと想定されるサイズにて燃焼試験を実施しています。材料データシートには試験片の厚さや試験情報を記載しています。燃焼試験の証明書に関してはご要望に応じてご注文時に発行しています。
お客様はエンズィンガーの燃焼試験データにより最適な素材を選定でき、また、最終的なFST試験前にデータを参考資料として活用することもできます。ご要望や必要性に応じて追加の試験も行います。(例:追加で厚さを調整した試験片にてテスト)
航空機、特に航空機内装品向け材料の要件はさまざまな機関によって規定されています。航空機は2つの規格によって定義されていますが、どちらも極めて類似しています。規格の説明は以下の通りです。
- アメリカ : FAA(Federal Aviation Administration:アメリカ連邦航空局)により発行されたCFR(Code of Federal Regulations:連邦規則集)のタイトル14の一部であるFAR(Federal Aviation Regulation)
- ヨーロッパ : EASA (European Aviation Safety Agency:欧州航空安全機関)によって発行されたCS(Certification Specifications:認証仕様)またはJAR(欧州で作成されたFARと同等)
大型の民間航空機については、両方の規格についてセクション/パート「25」でカバーされています。航空機の内装はセクション「853」でカバーされています。したがって、航空機内装品は「FAR 25.853」、「JAR 25.853」、「JAR-25、§25.853」、「FAR Part 25、§25.853」、「14 CFR Part 25.853」、「CS 25.853」を参照することができます。
航空機製造メーカーは更なる安全性を確保するため、独自で燃焼試験規格を制定しています。FST試験に関して上記と同様の内容を含んでいます。
- BSS(BOEING SAFETY STANDARD :ボーイング安全規格)
- AITM(AIRBUS INDUSTRIE TEST METHOD:エアバス試験方法)
※AITMはAIRBUS DIRECTIVE» ABD0031に収納されています
FAR/CS 25.FAR/CS 25のAppendix Fに様々なテストが記載されています。すべての素材は垂直燃焼試験をクリアしなければなりません。室内天井、壁パネル、仕切り壁、ギャレー、大型キャビネット、客室収納区画などの一部の航空機内装品は、ヒートリリース試験、発煙性、毒性試験もクリアする必要があります。