PI - Polyimide 

エンズィンガーのTECASINT

切削加工用素材としてPI樹脂(化学名:ポリイミド)の板と丸棒、チューブを製造しています。従来の熱と圧力によるホットコンプレッション法に加え、大量生産に適したコスト効率の高いダイレクトフォーミング法にも対応しています。 

PIは熱可塑性のPEEKやPPSと異なり、非熱可塑性の耐熱性素材であるため溶融しません。PEEKを超える耐熱性(300℃以上)、強度、寸法安定性、クリープ耐性があります。無潤滑下でも低摩擦係数、耐摩耗性、高PV値を発揮することから、過酷な摺動環境にも対応できます。長時間使用できるためメンテナンス費用の削減も可能です。  高純度や低アウトガスの特性を生かして、真空装置、航空宇宙産業、半導体製造装置で使用されています。

PI樹脂の特徴

  • PEEK樹脂を超える最高峰の耐熱性
    長期耐熱:300℃、短期耐熱:400℃ 
    最高470℃までの高い耐熱性(HDT/A)
    難燃性(UL94 V0)
  • 極低温特性
    マイナス270℃までの優れた耐寒性
  • 優れた機械強度
    260℃以上の高温下でも高い強度、弾性、剛性を維持
  • 優れた断熱性と電気絶縁性
  • 真空状態における高純度、低アウトガス性
    半導体製造の厳しい要求レベルにも対応
  • 低熱線膨張の寸法安定性と優れた切削加工性
    寸法安定性に優れた加工部品の製造が可能
  • 耐放射線性
  • 優れた耐薬品性優れた耐薬品性
  • 酸、油脂、溶剤に対し優れた耐薬品性を示す
  • 吸水性がある。吸水による寸法変化、特性の変化がある
  • 素材形状の自由度が低く、サイズが限定される

TECASINTのクリープ耐性(250℃環境下)

PI素材のグレードバリエーション

  • TECASINT 1000シリーズ
    非常に優れた寸法安定性を有します。
    良好な滑り特性があり、耐摩耗性にも優れます。
    加えて、耐放射線性にも優れます。 
    他の一般的なポリイミドよりも機械強度に優れます。

  • TECASINT 2000シリーズ
    TECASINT 1000シリーズの耐熱性、吸水率、靱性、滑り抵抗を改善したポリイミド。
    高い耐クリープ性を有し、切削加工性は良好です。ダイレクト・フォーミング法に適しています。

  • TECASINT 4000シリーズ
    靱性が極めて優れています。
    ポリイミドの中では、最も低いレベルの吸水率を有し、優れた摩擦特性を有しています。
    最高レベルの耐酸化性、耐オゾン性を有し、耐薬品性に優れています。

  • TECASINT 8000シリーズ
    TECASINT 1000で補強されたPTFE樹脂グレード。
    耐クリープ性が向上し、優れた滑り抵抗、回転摩擦抵抗性を有する。
    耐薬品性に優れ、切削加工性が極めて良い。
    ステンレス、真鍮(しんちゅう)、アルミニウム、青銅などの柔らかい素材と噛み合わせる部材に最適です。
     

切削加工用PI素材の標準グレードと機能性を付加した特殊グレードを販売しています。

以下の形状とサイズでポリイミド素材を販売しています。サイズ情報の詳細は各素材ページ内にございます。

  • 丸棒: D6~D25 長さ250mm~1000mm
    (グレードによって対応できる径、長さが異なりますので都度お問合せ下さい)
  • 板材:  t6mm~t30mm 対応サイズ125x300, 250x300, 300x500, 300x750, 300x1000
    (グレードによって対応できる厚み、サイズが異なりますので都度お問合せ下さい)



PI樹脂の主な使用用途


  • 半導体製造分野
    TECASINTはイオン含有量が低く、低アウトガス性の特徴を有することから、ウェハーの製造など、ハイレベルなクリーンルームで使用されています。

  • 宇宙産業、高真空装置分野
    真空、あるいは乾燥環境下における用途では、TECASINTのナチュラルタイプが使用され、摺動性が要求される場合に二硫化モリブデンを配合したグレードが使用されています。

  • 電機・電子部品分野
    高温環境下でも高い電気絶縁性を有することから、電機・電子分野においてTECASINTは理想的な素材です。
    (例:インシュレーター、スイッチ部品)

  • 機械・自動車分野
    ギア関連には、摺動性が極めて優れた、TECASINTのグラファイトやPTFEを配合したグレードが使用されています。
    (例:バルブシート、ベアリング、ブッシュ、スラストワッシャー)