医療用プラスチック

近年、プラスチックは医療用や医薬品向けに使用されており、特に切削加工用素材は、整形外科、治療分野において繰り返し使用できる素材として用いられています。エンズィンガーは医療規格のISO 10993 や USP Class VIの生体適合性試験をパスした医療用途向け素材(MTグレード:24時間以内の生体接触)を提供しています。

 

生体適合性に関する取り組み

エンズィンガーでは、全ての医療用素材(MTプラスチック)において皮膚や体組織や血液との24時間以内の接触に対するため、以下のISO生体適合性試験を実施しています。

  • 細胞毒性/増殖抑制試験(ISO 10993-5)
  • 溶血性試験(ISO 10993-4)
  • 化学分析/フィンガープリント試験(ISO 10993-18) 
  • 生体毒性評価試験(ISO 10993-1) 


段階的な生物学的安全性評価についてISO 10993-1の勧告に従っています。細胞毒性 (ISO 10993-5) と溶血性 (ISO 10993-4) のインビトロ試験 (体外試験) を実施し、素材が血液や組織と接触しても十分に不活性であることを確認しています。


USP Plastic Class VI(アメリカ合衆国の薬局方)では、さまざまな用途への適合性に関するプラスチックの生物学的評価についても説明しています。 これは、個々の項目で構成され、物質の性質や品質、剤形、純度などの試験方法と基準をまとめたものです。 プラスチックの生物学的評価については、USP Plastic Class VIの87章および88章で説明しています。これは、もともと薬剤容器を評価するために開発された規格です。87章では細胞毒性試験について説明していますが、ISO10993-5とは詳細が異なります。

生体適合性証明書

すべての医療用切削加工用素材(MTグレード)に対して、生体適合性試験を実施しています。これにより、24時間以内の生体接触に対応します。 注文ごとに生体適合証明書を発行しています。原料ベースのISO 10993またはUSP Class VIだけでなく、ISO 10993に基づいて押出成形品での試験も実施しています。

製造プロセス内のそれぞれの段階ごとに整合性のある記録を残すことで、一貫した医療用グレードのトレーサビリティを確保しています。

医療グレードを使用するメリット

製品開発の早い段階から生理学的に無害なエンズィンガーの医療グレード選択することで、開発時間の短縮と開発費用の削減ができます。エンズィンガーが発行する生体適合性証明書には、リスク評価に関する必要な情報が網羅されており、医療機器の効率的な評価プロセスのサポートとなります。 

証明書によってトレーサビリティも確保され、文書化プロセスのコストパフォーマンスが向上します。生体適合証明によりお客様の医療機器の開発スピードが上がり、また製造・販売の承認時に使用することで早期導入を実現しています。

医療向け生体適合性プラスチック(MTグレード)

医療向けに様々な種類のエンジニアリングプラスチック、高機能プラスチックをご用意しています。目的の使用用途、機器に最適な素材をお選びいただけます。

下記のすべての医療グレード素材はISO 10993による生体適合性を備えています。24時間以内の生体接触に対応しています。