耐薬品性プラスチック

金属とは異なる優れた耐薬品性と耐腐食性はプラスチックの大きな特徴の一つです。金属の場合、表面処理や塗装、陰極防食などの保護処理が必要ですが、プラスチックであればそのような処理は必要とせず、厳しい使用環境に耐えることができます。エンズィンガーの充実した素材バリエーションの中から、さまざまな薬品(酸性、アルカリ性、溶剤)に対応した素材を選定することができます。

 

右の表は、プラスチックの種類とpH上限値、下限値を示しています(条件は常温、応力負荷なし)。PEEK, PPS, PTFE, PE, PPEは幅広いpHに対応しています。

エンズィンガー素材の特徴とメリット
  • 優れた耐薬品性を有するPEEK樹脂の豊富なグレード
  • 耐溶剤性に優れ、寸法精度の高い非晶性素材郡
  • 耐酸・耐アルカリ性に優れ、耐滅菌性にも優れる素材郡

PEEKの耐薬品性
濃硫酸などの一部の強酸を除く殆どの薬液に対して耐性があり、幅広い用途で使用されています。酸化作用の強いフッ化水素、硫酸であっても、濃度5%以下、40℃以下であれば影響は軽微であり使用可能です。

非晶性樹脂(PEIやPPSU)の耐薬品性
ウルテム®(PEI)は、非晶性樹脂としては優れた耐薬品性があります。しかしアルカリには弱いという欠点があります。
PPSUはアルカリに対する耐性があります。PEIの代替が可能ですが強度が若干劣ります。

非強化グレードと比較してガラス繊維強化グレードは、強アルカリ性への耐性がやや低くなります。
PVDFは、高温のアルカリと敏感に反応し、機械的応力によりストレスクラックが発生します。許容限度はpH12と40℃であり、どちらか片方の条件も超えてはいけません。

耐薬品性に影響を与えるパラメーター
プラスチックが薬品と接した場合、重量変化が見られることがあります。 その程度は様々です。

耐薬品性が著しく低い場合、プラスチックは変色や溶解、膨張や軟化することで機械的特性と耐久性が低下します。薬品がプラスチックへ浸透・拡散することで分子鎖が解離されます。温度が上昇すれば、拡散が進行するため反応はさらに加速されます。様々な条件により耐薬品性は変化しますので、使用する際は以下の点を確認することが重要です。
 
  • 薬品の種類
  • 濃度
  • 温度
  • 使用時間
  • 負荷応力の有無

非晶性プラスチックを使用した場合、ストレスクラックが発生する可能性があります。はじめにマイクロクラックが形成され、使用中の機械的負荷により大きなクラックへと成長し、最終的には破損する恐れがあるので注意が必要です。

 

各素材の耐薬品性の傾向
右上の表は、DIN50014に基づき、気温23℃、相対湿度50%の条件で行った各薬品への耐性を示しています。
(+は耐性あり、(+)はやや耐性あり、-は耐性なし)
 
これらの情報は現時点でのエンズィンガーの知見に基づくものであり、あくまでも一般的な傾向を示しているだけであって、素材および最終製品の品質を保証するものではありません。
食品、医療、医薬品分野で使用される一般的な殺菌方法に対する耐久性素材は、こちらから確認できます。以下の「耐薬品性プラスチック」では、ページ内左側から薬品の種類別にチェックボックスを選択することで、最適な素材を選択することができます。
プラスチックの耐薬品性は使用条件により異なります。実際のご使用に際しては、お客様にて試験を実施されますことをお奨めいたします。各プラスチックの詳細な耐薬品性データについては、直接お問い合わせください。