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2022年 3月22日 / ブログ記事

Victrex®社のPEEKとEnsingerのPEEKの違い

 

Victrex®社ではフィラー配合のPEEK 450CA30、PEEK 450GL30、PEEK 450FC30などのグレードがありますが、今回は、Ensingerが該当する押出成形PEEKについて、説明します。

 

具体的には、以下のように対応しています。

 

Victrex®社グレード  Ensinger押出成形素材  フィラー配合   グレード
PEEK 450CA30   TECAPEEK CF30 black  炭素繊維30%  強化グレード
PEEK 450GL30  TECAPEEK GF30 natural  ガラス繊維30%  強化グレード
PEEK 450FC30  TECAPEEK PVX black  炭素繊維、グラファイト、 PTFE 各10%  摺動グレード

 

フィラー配合比はそれぞれ同じですが、Victrex®社のグレード(主に射出成形向け)と、Ensingerでの押出成形素材では成形方法が異なり、繊維配向に違いがみられます。

 

その結果、厳密には物性は異なるため、「Ensingerの押出成形素材TECAPEEKはVictrex®社グレードの相当品」となります。

 

物性の違いの傾向としては、以下のようになります。

 

  • 射出成型グレード(Victrex®社):強度や摺動特性に優れる
  • 押出成形素材 (Ensinger):寸法安定性や結晶化度に優れる

 

射出成形グレード (Victrex®社):繊維やポリマーの配向が樹脂の流動方向

 

押出成形素材 (Ensinger) :繊維やポリマーの配向がランダム

 

 

フィラーによる補強、摺動効果はEnsingerの押出成形素材でも十分確認できるケースが多いです。

 

加工の用途に応じてご判断ください。

 

 

詳細の物性・特性につきましては、下記お問い合わせフォームよりお問合せください。