PPS Retaining ring TECATRON CMP natural

CMPリテーナーリング

化学機械研磨処理(CMP)は半導体製造における重要なプロセスの1つです。近年、ウェーハの大型化、チップの小型化と回路配線の微細化が進んでいます。そのため、CMPプロセスには高いレベルの要件を満たす素材が必要です。エンズィンガーはお客様とともに素材開発に取り組んできました。

信頼性の高い素材でプロセスエラーを減少

CMPプロセスではリテーナーリングはウェーハを固定し、研磨するために様々なスラリーと接触します。そのため、リテーナーリングには耐薬品性と耐摩耗性が求められます。また、機械的負荷に耐えられる必要があり、優れた弾性、靱性、強度も求められます。ウェーハを傷つけず歩留まりを上げるには、リテーナーリングの製造において極めて高い加工性と寸法精度が求められます。

CMPには高純度の素材が求められます。ウェーハ表面への傷を防止するため、リテーナーリングにアルミニウムや銅などの金属が混入してはいけません。また、ウェーハへのダメージを防ぐため、低アウトガス性であることも重要です。

CMPに最適化された高耐久素材

これまで、リテーナーリングには標準グレードのPPSが使用されてきました。フィラーを配合すれば更に性能を向上させることが可能です。エンズィンガーのPPS素材:TECATRON CMPはCMPプロセスに最適化された素材です。
 

耐摩耗性と強度

TECATRON CMPは市場で標準的に使用されているPPSと比べて、約2倍の耐摩耗性を発揮します(図1を参照)。非常に優れた機械特性を有しており、高い引張強度と曲げ強度があります(図2を参照)。優れたトライボロジー特性、耐薬品性、耐溶剤性もあり、これらの特徴から耐久性と寿命を大幅に向上させることができました。

摩耗レート:

図1  PPS標準グレードとTECATRON CMPの各スラリーにおける耐摩耗性

強度:

図2 各素材の引張強度と曲げ強度

優れた機械強度

PEEK素材:TECAPEEK CMPはTECATRON CMPよりもさらに優れた靱性、延性、寸法安定性があります。その他にも、耐薬品性、耐熱性、高強度、高弾性率の特徴により、リテーナーリングの高寿命化を実現できます(図3を参照)。

弾性率

図3 各素材の弾性率

高純度

エンズィンガーの高機能プラスチックは、常に金属コンタミのリスクを減らしながら製造されています。図4に示す素材別の金属イオン含有量を見ると、純度の高さがが分かります。

TECAPEEK CMP、TECATRON CMPは低アウトガス性の素材です。ウェーハにダメージを与えません。

金属イオン含有量

図4 各素材の金属イオン含有用量

結果/メリット

エンズィンガーの耐摩耗性に優れたCMPリテーナーリングにより耐久性が向上しました。その結果、装置メンテナンスのタイミングが減り、より多くのウェーハを研磨できるようになりました。交換頻度とダウンタイムが減少したことで、生産コストの低下も可能となりました。

TECANAT CMP natural

半導体製造のCMP(化学機械研磨処理)装置向けPC(ポリカーボネート)素材です。CMP向けに最適化された耐摩耗特性と摩擦特性をあわせ持っています。

TECAPEEK CMP natural

半導体製造のCMP(化学機械研磨処理)装置向けの耐摩耗性に優れたPEEK素材です。
以下のCMPリテーナーリング素材も提供しています。
 
  • TECATRON SE(PPS):高い寸法精度と低いクリープ性
  • TECAPEEK SE(PEEK):非常に優れた耐薬品性