厳しい環境での要件
石油掘削を行うには、可能性のある石油源を特定しなければなりません。油井10ヶ所のうち成功するのは1カ所程度にすぎず、そのため個々のハイドロフォンが記録する情報は正確であることが求められます。コストのかかる探査のため、計測がエラーとならないようハイドロフォンにはあらゆる点で高い信頼性が必要です。使用環境からの影響を最小限に抑え、エラーフリーでなければなりません。
個々のハイドロフォンには破損から保護するためのハウジングが必要です。ハウジングには、金属、セラミック、プラスチックなどのエンジニアリング素材が使用されています。使用環境によっては破損を引き起こす数々の障害が存在するため、素材を選定する際は使用条件を十分に確認する必要があります。海水、日光、オイルや潤滑剤、化学薬品はハイドロフォンに影響を与える可能性があり、優れた耐薬品性が重要です。耐衝撃性、寸法精度、音響特性など、その他の要素も把握する必要があります。
革新的なソリューション
エンジニアリングプラスチックはその卓越した特性により、ハウジングに使用するメリットがあります。セラミックは重く、機械加工しにくいうえ、脆いため壊れやすい素材です。金属もまた重いため、船上で使用する場合はメリットがありません。船上では軽く取り扱いやすいプラスチックが最適でした。
ポリカーボネート(TECANAT)はその高い衝撃強度と、天候や紫外線など外界からの影響への耐性に優れていることから使用されます。ただし、さらに厳しい要件や耐薬品性が必要な場合は、フッ素樹脂(TECAFLON)、PEI樹脂(TECAPEI)、POM素材(TECAFORM AD)といったその他のエンジニアリングプラスチックが適しています。これらのプラスチックは、耐薬品性と耐衝撃性、高い強度と寸法精度、音響特性があります。
TECAFORM ADは高い機械強度をもち、機械加工しやすい素材です。TECAFLONは卓越した耐薬品性の素材で、TECAPEIは軽量で強度に優れた素材です。3つの素材すべてで大きなメリットを得られますが、どの素材が最適かは条件や要件によって異なります。
コストと時間の削減によるメリット
脆いセラミックからプラスチックに変更することで部品の耐久性が上がり、メンテナンスや交換費用の削減、損傷や計測エラーによって引き起こされるダウンタイムを回避することができます。エンズィンガーはお客様の特殊な要件にマッチするよう、幅広い素材群をご用意しています。使用条件や要件をスタッフに直接ご連絡いただければ、最適な素材を選定いたします。
ハイドロフォン向け素材